オリンピックへの第一歩

　原田です。教え子の一人、柔道男子60㎏級近藤隼斗選手が、先日行われた講道館杯全日本柔道体重別選手権大会で優勝いたしました。高校三年間、柔道部監督として指導に関わってきましたが、彼も私のコーチング、カウンセリングを体験した一人です。

 

　当時彼は高校柔道界では圧倒的な強さを誇っていました。私は、彼を引き受けた時、3年生時にインターハイ優勝ができればくらいに考えていました。しかし、全日本カデ (U-１７)２連覇、インターハイ２連覇、全国高校選手権大会と立て続けて優勝し、アジアジュニア選手権大会優勝、世界カデ3位等大活躍でした。

 

　私の指導は、生徒たちが練習メニューを考えます。コーチングです。どんな練習にしたらいいか？、技術、メンタル、体力をどのように鍛錬するのか？問いかけます。そして自分はどの大会を目指すのか、どんな未来に行きたいのかを感情レベルで感じさせます。

 

　練習環境に恵まれない佐賀県に残り、世界を見据えたコーチングを行ってきたのです。

 

　ある時期、彼は精神的に苦しんだことがありました。２大会を辞退したのです。

 

　楽しんできた柔道が、周りの期待によって楽しめなくなり、勝って人を喜ばすために柔道をやるようになっていました。価値観は人それぞれですが、彼の価値観は強い相手と戦いたい、強い相手を投げたいというものだったのです。

 

　心療内科に受診するほど無気力だった彼に、ひとまずゆっくり静養させ、カウンセリングを行いました。本人は、減量が原因だと思っていたようでした。

 

 

　コーチングとカウンセリングを行ったことで、以前にも増して成長を遂げ、インターハイ２連覇を成し遂げました。あのまま、私がこのスキルを学んでいなければ、燃え尽き症候群や減量苦という理由で、彼をダメにしていたかも知れません。